《剥がれてくる天井塗装》
当方への相談で、稀に『天井(塗装)が剥がれてくる』というものがあります。
最近もこのような相談があったため現地を確認しました。
遠目にも剥がれている状態が確認できます。
打診用ハンマーを転がしてみると、すでに剥がれている部分は音で判ります。
大体、赤線で囲ったあたりが浮いていそうですね。
今回は、『浮いていない』部分の塗膜の接着力も試験しましたが、接着力が殆どないor極めて低いという結果でした。
落下した塗膜片を詳細に観察すると、塗膜だけではなく下地調整に使用したモルタルから剥離しているようです。
元施工会社によると、海に近接する土地柄、塩分の影響を受けていることが塗膜剥離の原因であるとの見解を出していたそうです。
そのため、各所付着塩分の状況を確認しましたが、その濃度は塗膜の硬化に悪影響を及ぼすほどとは思えない程度のものでした。
結論としては、型枠の段差修正などに用いられた下地調整用モルタルを施工する際の『水湿し』が十分ではなかったことからモルタルの硬化に必要な水分が不足し、ドライアウトしたことが主たる原因の一つではないかと推定されます。
また、剥離した下地を観察するととてもスベスベとした平滑な状態でした。
これは塗膜や下地材が付着するに際しての物理的な『引っ掛かり』が不足します。
ご相談の『天井(塗装?)の剥がれ』はこれらの理由によるものと推定されます。
こう思ってみると、上の写真も『剥がれているところ』だけが問題なのではなく、『剥がれかけているところ(膨らんでいるように見える部分)』や膨らみにも至っていない部分も、近く剥がれてきそうだと見えてきますね。
不具合程度や交渉先によっては10年瑕疵の際にも交渉できる場合がありますのでご相談ください。
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一級建築士事務所 マンション管理士事務所
株式会社 佐藤マンションサポート
代表取締役 佐藤 稔 / SATOH MINORU
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