『正しく恐れる』アスベスト
『アスベスト』というと、『身体に悪い』というイメージがありますね。
ただ闇雲に恐れていても不安になるばかりです。
アスベストの怖さというと、映画俳優のスティーブ・マックイーンが思い出されます。
モータースポーツに熱心に取り組んでいたイメージも強く、その時着用していたアスベスト製の耐火服、耐熱フェイスマスクやブレーキパッドなどにより長期に渡りアスベスト繊維を吸引したのが中皮腫を引き起こした原因ではないかと言われています。
『耐火・耐熱』とあるように、アスベストは極めて優れた耐火性・耐熱性を有しています。
そして安価であることにより、ありとあらゆる建材に使用されてきました。
高経年マンションにお住まいの方にとって、アスベストを心配される声をよく聞きます。
「階段室の床Pタイルに含まれていた」、「外壁塗材の下塗りから検出された」という調査結果から、これを過敏に心配して、「なぜ、アスベストが使われているのか」と聞かれる場合があります。
確かにその危険性はかなり昔から認識されてはいましたが、「石綿0.1重量%超の製品の全面禁止」となったのは平成18年(2006)、その猶予措置が撤廃されたのは平成24年(2012)のことであり、それまでは段階的な使用制限がありながらも一部には使用されてきました。
高経年の鉄骨造の建物では、構造体鉄骨の耐火被覆にアスベストが使用されています。
天井材の裏にはアスベスト・・・なのですが、実はこのアスベスト、調査してみると室内には繊維の一本も落ちてきていません。
また、ある団体の実証実験では、アスベストが含まれる発じん性レベル3の部材をUカットしたりベビーサンダーで削っても、至近距離でもアスベスト繊維が検出されませんでした。
確かにルールはルールなので、厳守する必要はありますが、あまり過敏になりすぎる必要はないように思います。
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一級建築士事務所 マンション管理士事務所
株式会社 佐藤マンションサポート
代表取締役 佐藤 稔 / SATOH MINORU
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