『みんな頑張ってくれてるけど、もう遅いんだ。もう・・・』
工事中も漏水調査は続きます。
その多くは新築入居時まもなく漏水が発生し、何度補修に来ても再発を続けています。
何度直しても再発する漏水に、居住者が怒るのは当然です。
対応する事業主や元施工ゼネコンの担当も疲弊し、見えないトンネルを絶望しながら対応し続けます。
そこに我々も加わりました。
ある日、事業主が漏水調査のための散水を行っているところに立ち会いました。
そのお宅の居住者のご主人は言いました。
『このマンションは、建物だけでなく周りの雰囲気も良くて、家内と終の棲家にするために選んだんだ。その家内も先日、病気で亡くなった。ずっと漏水に悩まされ続けてきた。最近は以前と違って漏水の対応が良くなった。みんな良くやってくれている。でももう遅いんだ。』
その夜、我々のチームは集まりました。そして、塩辛い酒を酌み交わし、早期の解決を再び誓いました。