『霜柱』
構造体の不具合が次々と露呈しながらも建て替えには至らぬある日、建物を確認に行った。
居住者は仮移転し、内装はすべて撤去され、躯体があらわになった室内で、コンクリート躯体の不具合を確認するためであった。
ある一室のあらわになった床スラブを見ると、一定間隔に直径10cm程度の円形の『肌荒れ』が確認できた。
『何だろう?』
と思って詳細に観察すると、何とも綺麗な模様が観察できる。
それが『霜柱』だと気付くのにそう時間はかからなかった。
コンクリート打設時、硬化前にコンクリート表層に霜柱ができている。
他の部屋も同じ状態であったため、当日打設した分はコンクリートを打設した時から少なくとも養生期間初期は0℃以下になり、霜柱ができた。その対策もないまま内装工事に入ったことが推定されます。
コンクリートはセメントと水による水和反応で硬化するため、水が凍ってしまうと強度の発現に決定的な悪影響を及ぼします。
特に硬化初期の凍結は特にいけません!
この棟は、他にも決定的な問題がありましたが、建て替えられて本当に良かった。
(更新中)