エレベーター不具合・一考

エレベーター不具合・一考

中国 福建省でエレベーター事故により中学生の男の子が亡くなったそうです

日本でも、世界では最大手なシェアを持つ海外メーカー製のエレベーターが2006年に類似する事故を起こし、男子高校生が亡くなっている。

動画サイトなどでは、防犯カメラ映像が残っていることがあり技術者として、親として居た堪れない思いがします

日本では、この事故を受けて二重のブレーキシステムが義務付けられていますが、高経年のマンションで着床位置がズレていたりすると、ふと不安になります

機械的な問題もありますが、エレベーターには保守を取り巻く環境にも問題があります

もともと、エレベーターはメーカーの保守社員が新築後のメンテナンスを行っていました
メーカーから見ると、ゼネコンからコストで叩かれた分をメンテナンスで回収することになります

ここで、メーカーの保守が『独立』して、保守メンテナンス会社を設立し、安価なメンテナンスを売りにして競争環境が出来ます
これは『独立系の保守メンテナンス会社』と言われます

このこと自体は悪い話ではありませんが、過当競争を生み出している側面があります

また、パーツ自体はメーカーから供給を受けないといけませんので、独立系のメンテナンス会社はメーカーから仕入れるわけです

昔、港区の事故の後、ある独立系メンテナンス会社の社員から聞いた話では、日本のメーカーはそうでもないが、海外のメーカーは部品の供給を渋るとのこと
これが事故の一因になっていると言っていました

まぁ、動機としては成立しますね

港区の事故でも、保守はメーカーではなく独立系保守メンテナンス会社でした
2018年にはメーカー社員、保守メンテナンス会社社員全員の無罪が確定しました

その後、エレベーターに係るさまざまなシステムが見直されました

日本の場合、エレベーターに関わる事故の殆どはメンテナンスや工事中の事故のようです
ワイヤーロープのかけかえなどの手順を誤ったものと思われますが、この事故があまり世に出ることはありません

港区の事故を期に、ユーザー側からの使用上の安心感は向上したように思います

佐藤も、10棟14機のエレベーター更新に関するコンサルタント業務を行い、無事に実施した経験がありますが、当時から価格以外の細かなパーツや機能に至るまで勉強しました

今後も、マンションにお住いの方々が安心して使用できるようサポートしたいと思います

また、将来ある子供たちが亡くなったことに対し、ご冥福をお祈りします

 

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

一級建築士事務所 マンション管理士事務所

株式会社 佐藤マンションサポート

代表取締役 佐藤 稔 / SATOH MINORU

URL: https://satoh-m-s.com

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です