2023.03.09【追悼】扇千景元国交省大臣の訃報に接し

扇千景元国土交通省大臣がご逝去されました。

謹んで哀悼の意を表します。

政治信条については失礼ながらよく存じ上げませんが、扇千景氏が国土交通大臣であった2002年11月29日号の週刊朝日にある記事が掲載されました。

【以下引用】

公団マンション「手抜き工事」追求第２弾

扇国交相激怒！！

「公団の大過失なぜ報告しないの」

【引用ここまで】

1988年（平成元年）前後に分譲された公団分譲の団地が入居時からずっと漏水が止まらず、居住者が苦しんでいた。

1997年（平成9年）横浜で仕事をしていた佐藤に、当時、務めていた設計事務所の社長から電話があり、引き合いがあるので下見に行ってきてくれとのことであった。

現地に行くと、汚らしい補修跡が点在し、まだ10年経っていない建物とは思えない惨状であった。

その後、管理組合側に立った設計事務所として公団と対峙し、様々な交渉の窓口となった。

大規模修繕工事が始まり、次々と明らかになる欠陥工事には問題の収束とは程遠く、果てしなく続くような錯覚にとらわれる。

どんどん露呈する欠陥問題の原因に、こともあろうか公団は欠陥発見者の先頭に立つ当職を的に掛け、追い出しにかかってきた。

【写真に映る当職は、当時34～35歳位であったろうか】

そんな中、専門誌『日経アーキテクチャ』や週刊誌、新聞、テレビ報道などにより居住者の苦しみが報道されようとしていた。

上記の記事はその一部。

「公団の大過失なぜ報告しないの」

ときの扇大臣によるこの発言に対し、公団は

「居住者が資産価値低下につながるので、情報を公開するなと言っていたから。」

などと回答した。

居住者は、公団の監督官庁である国交相に報告するなどとは一言も言っていない。

「公団の大過失でございます」

当時の扇大臣のセリフは、居住者の気持ちを安堵させた。

当然、当職も少しだけ安心したものであった。

そんな昔を思い出します。

謹んで哀悼の意を表します。

 

 

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一級建築士事務所　マンション管理士事務所

株式会社 佐藤マンションサポート

代表取締役　佐藤　稔 / SATOH MINORU

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