『この仕事は請けない方が良い』

さて、現場に着きました。
遠目には素晴らしいデザインであるこの建物群(団地)は、屋根が切妻の勾配屋根とお花畑のある陸屋根の組み合わせでした。
近くに寄ると何度も補修していることから著しい補修跡が見苦しく、『ただの不具合ではない』という『雰囲気』が至るところに漂っていました。この団地の居住者は苦しんでいる、そう確信しました。
しかし、この団地を企画販売した事業主は、ある『国の組織』です。
この物件を請けて、居住者の満足を得るには『国の組織』と戦い、勝たなければなりません。
全く自信はありませんでした。

私は社長に連絡し、現場の状況や想定される見通しを説明し、『この仕事は請けない方が良い。請けるべきではない。』と言いました。
しかし、結局は引き受けることになりました。

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